2014年度 報告

2014年度 事業実績および成果

 本年度は、プレ調査を通じてスタッツデータの測定シートおよび測定手順書を開発し、次世代のAL型教室設置に向けた実験教室の設備整備を完了し、授業撮影による教育上の改善点の発見に向けて撮影を試行し、最適なカメラ位置など検証を行った。また、事前・事後課題のチェックに向けてシラバスを改訂し、分析方法の検討を行った。さらに、学習支援センターのこれまでの活動を検証し、特にラーニングコモンズを中心とした学習環境、授業外学習のサポート体制の整備を進める必要性が認識され、次年度計画を具体化した。加えて、学生の授業出席の状況を中心とした学習行動データの一元管理に向けて環境を整備した。
 AP実行委員会を発足し、専門家委員会および第三者評価委員会も組織し、両委員会からの指摘に応じて必要な改善を加えながら本補助事業を着実かつ効果的に推進する体制が整った。また、特設サイトを開設し、本補助事業の進捗および事業成果を広く一般に公開することが可能となった。
 本年度の取組みにより、次年度以降からの本格的な事業実施に向けた体制整備および検証が完了した。

 スタッツデータの測定ツールおよび手順書の開発、実験教室の設備整備、授業撮影の試行・検証により、これまでの授業参観等の手法では発見することのできなかった教育方法の改善点を発見して、その改善を図る取組みに着手し、学生の深い学びを伴った教育の実現に向けて改革を加速することが可能となった。
 シラバスの改訂により、学生が各科目の事前・事後課題(授業外学習の内容)をより詳細に把握し、学習計画に活かすことができるようになった。また、授業外学習の成果を成績評価の対象としたことにより、授業内外の一体的な学習を通じた深い学びを促進することができるようになった。
 さらに、学習支援センターのこれまでの活動の検証、課題の抽出に基づいて、具体的にラーニングコモンズの整備および学習支援サービス向上策が計画されたことにより、学生の学習支援の強化に見通しが立った。加えて、学生の授業出席の状況を中心とした学習行動データの一元管理に向けた環境が整備され、学生に対して学習行動データに基づいた精緻な学習アドバイスを行うことが可能となった。

実施計画 事業実績および成果
(1) スタッツデータの測定方法・ツールについて設計・開発を行い、収集したデータの分析方法の検討および分析結果に基づいた教員に対するコンサルテーションの検証を行う。  スタッツデータの測定項目の設定および測定方法の検討を進め、測定シートの開発を行った。開発した測定シートを用いてプレ調査を実施し、その結果を受けて、測定シートの改善を図り、測定手順書を作成した。さらに、測定スタッフ養成に必要な研修内容を検討した。
  スタッツデータの分析方法についても検討を進め、スタッツデータ測定後(講義終了後)に、受講学生に当該講義の満足度等に関するアンケート調査を行い、スタッツデータとアンケート結果を総合的に分析することで、より多くの示唆を得られることを発見した。そして、本検討結果を踏まえて、授業後アンケート調査票を開発した。
  また、実際の授業においてスタッツデータ測定のプレ調査を実施したことにより、本補助事業の取り組みに関する全学的な理解が進み、教員の教育方法の改善に関する意識の向上を図ることができた。
(2) 次世代の AL型教室設置に向けた実験教室の設計および設備整備を行う。また、実験教室にて大教室における AL をサポートするツールの効果検証を行う。  次世代の AL型教室設置に向けた実験教室の設計を詳細化する作業を行い、2014年12月に自由が丘キャンパス6号館3,4階に実験教室を開設した。本実験教室で講義を実施し、従来の教室と実験教室の授業進行等における違いを検証した。
  また、アクティブラーニングサポートツール(無線対応プレゼン資料集積投影機器、クリッカー)の試行を行い、必要な事前準備や改善点を確認した。アクティブラーニングサポートツールの導入により学生の理解度を確認しながらの授業進行、グループワークの発表等の円滑化による教員のフィードバック時間の確保など、学生の深い学びを導く教育の実現につながることが確認された。
(3) 教育支援センターによる事前・事後課題のチェック実施に向けた詳細検討を進める。  事前・事後課題のチェック実施に向けて、事前・事後課題の内容を明確化し、教員と学生がその内容を共有するため、シラバスを改訂し、事前・事後課題を含む授業外学習の詳細を明記するようにした。これにより学生は各科目の授業外学習を含めて、より詳細な学習計画を立てることが可能になった。また、事前・事後課題を含む授業外学習が形骸化しないように、授業外学習の成果を成績評価の対象とすることとし、事前・事後課題の設定と評価を一体として授業外学習の実質化を図ることとした。
  また、教員用ストレージサーバーの設置が完了し、教育支援センターによる事前・事後課題のチェック実施に向けて、シラバスや教材などのデータを保存・管理する仕組みが整備された。
(4) 授業撮影による教育上の改善点の発見に向けて、授業撮影を試行し、最適な授業撮影方法を検討する。  授業撮影を試行し、開設したAL型実験教室を中心に教室レイアウトによる最適なカメラ位置や撮影範囲、撮影上の注意点などについて確認を行った。授業撮影の試行を通じて、教員相互の授業参観での「人の目」による検証では発見することのできなかった教育方法の改善点を発見することができ、学生の学びを深めるための教育改善を加速できることがわかった。次年度以降に授業撮影を着実に実行し、授業撮影と授業参観によるFD効果の違いなどの検証を行う体制が整備された。
(5) 学習支援センターのこれまでの活動の検証を行い、課題の抽出・改善策の検討を行う。  学習支援センターのこれまでの活動を振り返り、課題を抽出し、学習支援強化に向けた具体的施策を検討した。本検討により、特にラーニングコモンズを中心とした学習環境の整備、授業外学習をサポートする体制の整備を進める必要性が認識された。また、ラーニングコモンズに関する認知度調査を実施した。さらに、これらの検討結果を踏まえて2015年度の学習支援センターの活動として、授業外学習をサポートするための勉強会等の実施計画を具体化した。
(6) 次年度以降の実施に備えて、授業への出席状況を中心とした学生の学習行動データを一元管理する体制を設計・整備する。  授業への出席状況を中心とした学習行動データを一元管理できるように仕様を確定し、2014年度実績データを用いて検証作業を行った上で、教職員向け研修を行い操作方法等の周知徹底を図った。これにより、アカデミックアドバイザーが学生に対して学習行動データに基づき、学習アドバイスや学習計画の見直しなどを指導する体制が整備された。
(7)本補助事業に関する特設サイトを開設する。  特設サイトを開設し、本補助事業の概要や実施体制、事業計画などを公開した。本サイトの開設により、今後、安定的に本補助事業の進捗状況を学生を含めて広く一般に公開することが可能となった。
(8) 本補助事業の実施していく内部体制(AP実行委員会など)および外部組織(第三者評価委員会など)を整備する。  学長が実行委員長を務め、すべての学部長、学科主任が委員として参加するAP実行委員会を発足した。これにより、本補助事業に全学をあげて取り組み、全学生に本補助事業の成果を享受する体制が整備できた。また、本補助事業の推進機関として教育支援センターを2015年に設立すること、学習支援センターの機能強化を図ることを決定した。外部委員会(専門家委員会・第三者評価委員会)を設置し、初会合を行った。委員に本補助事業の内容を理解いただき、事業推進の意義について一定の評価を得た。また、委員からスタッツデータの分析方法などに関して具体的なアドバイスをいただいた。

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