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大学職員を対象とした人材育成実態調査 |
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18歳人口の減少や国立大学の法人化など、大学を取り巻く環境は大きく変化しています。また内部環境においても、職員の多様化(正規職員・派遣職員・パートなど)、教職員の高齢化、人件費の増大などにより大学経営は厳しさを増しています。これらの変化に適応するため、各大学では生き残りをかけたさまざまな施策を模索しています。
一般企業とは異なり、依然として年功的な側面に重点がおかれた人事制度が多いと思われている学校法人においても、職員の意欲を高めるために「人事考課制度」や「目標による管理制度」の導入に取り組む大学が増えているようです。
そこで本学では、このような環境の変化に対応していくために、全国の大学が「職員の人材育成」を、どのように考え、どのように実施しているかについて、その実態を明らかにするとともに、今後の課題を探ることを目的に調査を実施しました。
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1. 人材育成は、職員への期待像が明確ではなく、体系的なプログラムに基づいた人材育成ができていない |
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現在の人材育成についての全体傾向(問1)では、育成方法として「計画的な育成制度」、「各職場におけるOJT」、「計画的なジョブローテション」に取り組んでいるとした大学がと上位なっており、「望ましい職員像」「職員の能力要件」の項目が上位に見られない。
また、現在、導入・実施している職員研修(問3)では「各職場におけるOJTに任せている」が第5位と下位にランクされている。OJTは組織内の人材育成の基本となる方法であり、外部セミナーや集合研修・自己啓発制度などは、あくまでもOJTを補完する方法である。 これらの結果を考察すると、長期的な視点から人材育成を計画的に行うというより、年度ごとに必要な育成計画が行われているように思われる。また、OJTに取り組む必要性を感じているが、大学においてはまだOJTの意味や実施の方法などが確立されていないということも推測され、今後の人材育成上の重要な課題となると思われる。 |
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2. 今後、管理者・一般職職員に期待される行動は、「着実に目標、業務を達成する」ことが求められている。 |
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今後、管理者に期待される行動は、全体傾向として「問題点を正しく認識でき、自ら解決の選択肢を最適な策に基づいて解決している」「目標達成を見通した具体的・効果的な行動計画を立て、着実に業務を推進している」「大学を取り巻く経営環境について洞察することに優れ、高度な知識と見識を持っている」「経営上の課題の所在を明らかにし、その本質を見極め、独自のビジョンを明確に持っている」が上位4項目となっている。 この4項目を簡単に言い換えると、「問題解決力」「計画的な業務推進能力」「経営環境に関する洞察と知識」「経営課題設定力とビジョン構築力」となり、日常業務の遂行(日常の管理業務)と経営戦略的思考の両方の能力が求められている。 一般企業においては、以前から日常の業務管理能力はもはや管理者に求められる最低限の能力であり、むしろ部門全体あるいは組織経営全般にわたる戦略立案能力といったものが管理者に求められている。 しかし、大学においては、依然として日常の管理遂行能力が重視されている傾向にあったことを考えると、今回の結果を見る限り、大学においても管理者を「戦略立案者」や「戦略実行者」として位置づけようという意識が反映されていると考えられる。 一方、今後、一般職員に期待される行動は、全体傾向として、「先例にとらわれず、仕事のやり方を見直し工夫改善している」「必要な職務知識・技能を修得し、実際の業務に活用している」「指示がなくても、自律的に課題を見つけて組織に貢献している」が上位3位までを占めているが、どの項目間にもそれほど大きな差がない結果となっている。 上位4位、5位については「問題発生時には適時適切な対応をとり、かつ主体性を持って取り組んでいる」「業務の効率化やコスト削減等、日常の業務の中にも改革の可能性を探求している」であり、先の上位1〜3位までの結果と合わせて考えると、一般職へ期待する行動は、あくまでも担当する日常業務に関する行動であることがわかる。但し、その中に「仕事の見直し・工夫改善」「日常業務の改革・効率化」といったことが含まれていることを考慮すると、単に日常業務を「そつなくこなす」ということではなく、「自ら進んで業務を改革し、効率化を図る」といった行動への期待が小さくないことが読み取れる。 |
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3. 「人事考課制度」と「目標による管理制度」との連動が増加傾向にある |
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人事考課制度を推進するにあたり、「人事考課制度」と「目標による管理制度」との連動の強さはあるが、現在「人事考課制度」に「目標による管理制度」を連動させているかについて聞いた。その結果、「人事考課制度」を導入された大学では、「連動している」と回答した大学が6割強、「今後連動していく予定」が3割強となっており、連動予定を含めるとほとんどの大学が「目標による管理制度」との関連を重視している。
また、都市部の大学と都市部以外の大学との回答結果を比較すると、都市部の大学ではすでに「目標による管理制度」を連動させている大学が約8割で、都市部以外の大学と比較して3割強多くなっており、都市部の私立大学の多くで、現在「人事考課制度」に「目標による管理制度」を連動させている状況が伺える。 |
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4. 「人事考課制度」の導入目的は、職員の育成におく傾向が高い |
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第1位が「職員の能力開発・育成」という項目であり、全体の7割を超える回答率であった。これは組織の成長と個人の成長の両輪をめざすことにより、組織体質の強化を大目的としている大学が多い結果であるといえる。
続いて第2位が「処遇に反映させ、処遇における公平をはかる」である。これは、公正に評価して給与処遇することを目的としていることを表し、職員の意欲向上、組織と個人の成果向上をねらいとしていると考えられる。この項目も全体で7割弱という高い回答率であった。 第3位は「管理者・職員間のコミュニケーション向上」という項目であった。
この項目は国公立・私立大学ともに第3位であり、第4位の「管理者のマネジメント・指導育成力の向上」とともに、管理職層に対するマネジメント能力向上を期待する声とも考えられる。人事考課時における面談によるフィードバックによって、管理者・職員間の関係性強化もねらいとしていると推測される。
第4〜5位の項目は、数的に大きな差はないが、「職員の適性配置」が第5位になっている点がやや気にかかる。人事はデリケートな問題を含んでいるが、競争原理の導入はこれから始まるのではなく、もうすでに始まっているといわれる昨今において、前述のように組織体質の強化をはかり、経営革新を進めていこうとするにあたって、人事考課が配置・役職任用の決定に際する直接的な目的と用途となることも今後の検討課題となると思われる。
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5. 今後、「人事考課制度」において重視していく項目としては、「仕事への取り組み姿勢・態度」から「成果を創出できる行動」が求められている。 |
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現在「人事考課制度」を導入している大学からの回答結果における全体傾向では、考課要素として「管理者の考課能力」「業務上、結果として現れた成果」「成果創出プロセスにおける行動、発揮した行動」で上位3項目となり、「仕事に対する取り組み姿勢・態度」が4位となっている。 更に国公立大学と私立大学との回答結果を比較すると、私立大学では「管理者の考課能力」を重視しているとした大学が1位となり、国公立大学で4位となっている。国公立大学では、「成果創出プロセスにおける行動、発揮した行動」が1位となり、「管理者の考課能力」を重視が4位となっている。 また、都市部の大学と都市部以外の大学との回答結果を比較すると、都市部の大学では「管理者の考課能力」を重視しているが1位となり、都市部以外の大学より約1割多くなっている。一方、都市部以外の大学では、「業務上、結果として現れた成果」が都市部の大学より約1割強多くなっている。
これらの結果を見ると、都市部の私立大学において「管理者の考課能力」を重視していくという傾向が伺える。この状況は以前から「人事考課制度」を導入し、更なる制度の運営を高めるために「管理者の考課能力」が最も重要となるという認識の現われと思われる。一方、国公立大学や都市部以外の大学では、まず考課要素で重視すべき要素を明確にしていくという傾向が強いと推測される。 |
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