学校法人産業能率大学(本部:東京都世田谷区/理事長:上野俊一)は、新入社員の働く意欲や新社会人としての意識、将来の目標などに関するアンケートを実施し「2009年度新入社員の会社生活調査」としてまとめました。
今年度の新入社員は、不況のためか、理想や現実を予想した年収(35歳時)が過去最低、さらに経済的理由で副業を望む声があるなど、収入面の先行きに不安を隠せないようです。また、終身雇用制度を望む回答や管理職志向が過去最高を記録し、入社にあたっての意気込みも「コツコツ働きたい」という声が多く、“会社依存”の意識がある印象を受けます。
この調査は、本学の産能マネジメントスクールが開催する「新入社員研修セミナー」の参加企業の新入社員を対象として、1990年から「会社生活調査」として継続して実施しているものです。今年は、3月25日から4月10日まで、145社614人の新入社員に調査し、589人(男性394人・女性195人)から有効回答を得ました
不況の影響を受けて、収入面の先行きに不安感拡大
今年の新入社員は収入面の先行きに不安を抱く様子が見えており、35歳時点での『理想の年収』の加重平均は、過去最低となった昨年度の749万円をさらに下回って731万円(下図)。
さらに『現実を予想した年収』でも、初めて600万円を切り、596万円でした。自分の給料についても、「下がる可能性も考えられる」が昨年から倍に増えて、18.4%でした。また、副業も「経済的に必要なら行いたい」(44.7%)など、肯定派が約7割いました。

雇用悪化で、会社への依存意識が高まる
終身雇用制度を望むか聞いたところ、73.5%が「望む」とし、調査開始以来、初めて7割台に乗せ、過去最高となりました(下図)。
また、将来の進路の方向性についても、「管理職として部下を動かし、部門の業績向上の指揮を執る」という管理職志向が過去最高の40.5%。さらに、これから働くうえでの「意気込み」も、49.0%が「地道にコツコツ働きたい」といった結果がでています。安定志向の高まりとあわせて、雇用調整が進む昨今にあって、会社に依存しようとする意識さえ見られます。

“打たれ弱さ”のあらわれ?
打たれ弱いと言われがちな新入社員。そこで、自分はどのようにされると伸びるタイプだと思うかを聞いたところ、「褒められて伸びるタイプ」が63.5%で最多、「怒られて伸びるタイプ」の12.3%を大きく離しています(下図)。
新入社員のうちから責任のある仕事を任せられることについては、「不安である」が56.9%と半数を超えています。ほかにも、出世のイメージは「責任の増大」という回答が増えるなど、打たれ弱さを象徴するような、ややさびしい結果が出ています。

就職活動を振り返って
内定取り消しが社会問題にまで発展した今年の新入社員は、半数以上の54.2%が「自分も内定を取り消されるのではないか」と不安を抱いていました。この内定取り消しの企業側の判断に対しては、「補償をするならやむを得ない」(48.6%)と一定の理解を示していますが、「絶対に許されない」という意見も33.6%ありました(下図)。
また、来年入社の就職活動はさらに厳しくなると99%が予想しています。
