法人税法研究

履修年次:1・2単位:2

担当教員

産業能率大学大学院 兼任教員
土屋 晴行

授業の目的と概要

【目的】
 本科目では、税理士をめざす学生を対象に、法人税法の仕組みをもとに修士論文作成上のポイントをわかりやすく解説する。具体的には、企業会計上の「収益」・「費用」と法人税法上の「益金」・「損金」との違いは何か、法人税額はどのように計算するのか、申告と納税の仕組みはどうなっているのかなど、法人税法の基本的事項をしっかり理解して修士論文作成に役立たせることを学習の目的とする。例題や練習問題でポイントを理解すると同時に、各規定の背景について考察することで、法人税法の実務を理解する。「大学」の講義ではなく、「大学院」の講義を行う。

【概要】
・法人税法の課税所得と企業会計上の利益の違いを理解し、説明できるようにする。
・法人税法上の所得は、企業会計上の利益から加算、減算の調整を行って求めることを理解する。
・税務上の恩恵を受けるためには、確定した決算において所定の経理(損金経理)が必要になる場合があることを理解する。
・給与、交際費、租税公課、貸倒損失等については実務上問題となることが多いため、十分に理解する。
・減価償却、資本的支出、修繕費は関連項目が多いので、しっかりと理解する。
・役員に関する規定も多数あるので、法人税法の考え方を十分理解する。
・法人の大きさ、特に資本金等の大小によって内容が変わる規定(交際費、税率等)について理解する。
・届出をしない場合の法定方法についても各規定ごとに理解する。
・期限内申告(確定申告)のほか、修正申告、更正の請求の手続き、および青色申告制度の概要と特典について理解する。

ディプロマ・ポリシー (修了時の到達目標)

■:この科目で特に重視する観点

■①マネジメントに関する専門知識や理論、問題分析の手法を修得し、経営機能における的確な意思決定ができる

□②関係する人との連携・協力関係を築き、リーダーシップや高いコミュニケーション能力を発揮することができる

□③マネジメントのプロフェッショナルとして高度な専門性と責任感、倫理観をもち、自ら問題を発見して課題を設定し、現実的で実効性のある解決策を導き出すことを通じて、組織や社会の発展に貢献することができる

上記ディプロマ・ポリシーに基づく当科目の到達目標

  • 法人税法の用語や企業会計との違いを理解して、法人税の申告・納付について説明することができる。
  • 法人税法の基本概念と法人税の計算体系を理解し、具体的な法人税の計算ができる。
授業項目 概要 集中
授業
オリエンテーション a.ガイダンス
 ・講義の概要(授業の狙い、授業の進め方、スケジュール、成績評価の確認)
 ・プレゼンテーションの準備と方法
b.授業のキック・オフ
 ・個人の学習テーマの設定(個人プレゼンテーションの実施)


法人税法各論 下記の第4回目までの各項目について、項目ごとに学習するのではなく、横断的に、らせん階段を上るように学習していく。
・決算修正項目  ・申告調整項目
・減価償却   ・資本的支出   ・修繕費
・法定評価方法  ・取得価額
・租税公課  ・納税充当金
・寄付金の種類  ・仮計  ・損金算入限度額
法人税法各論 ・定額控除限度額  ・交際費等の範囲
・受取配当等の額  ・みなし配当
・役員の範囲  ・税務上の役員  ・役員給与
・課税の繰延べ  ・保険差益  ・国庫補助金
・貸倒損失  ・法定繰入率  ・法人税法上の繰延資産
・収益の計上基準  ・割戻し


法人税法各論 ・借地権の定義  ・権利金の認定課税
・有価証券の範囲  ・有価証券の区分
・繰越欠損金  ・還付金
・同族会社  ・留保金課税
・税額控除  ・所得税額控除
・確定申告  ・申告期限の延長
交際費と隣接費用の区分 今日の法人税法においては、交際費ほどあいまいなものはない。特に寄付金、売上割戻し、会議費、広告宣伝費、役員賞与などの隣接費用と交際費の区分には難しいものがある。
そこで、ここでは、過去の調査事例から「どんなものが交際費となるのか」「どうすれば交際費課税から逃れられるのか」を検討していく。


資本的支出と修繕費の区分 ここでは、資本的支出と修繕費の区分について、実例を中心に解説する。具体的には、①事実関係の確認、②経理処理の検討、③関係法令の解説、の順で授業を進める。
他業種の実例は自分の会社には関係ないと思われがちであるが、資産区分には業種を超えた原則が働いている。他社の実例の積み上げが、固定資産の総合的・体系的理解につながり、処理能力、応用力の向上、さらには節税効果にも大きな差が出てくると言ってよい。
法人税申告書の作成 法人税法では、法令の内容が細かいために、法人税を容易に、かつ正しく計算できるように、申告書別表を計算用紙(ワークシート)として定めている。
ここでは、まず最も重要な別表四と別表五(一)をマスターし、それから各別表とのつながりを学習する。最後に事例に基づいた法人税申告書を作成し、理解を確かなものとする。
法人税申告書の書き方をマスターすれば、法人税法の全体像と実務、さらには節税対策のポイントについて理解することが可能である。


成果発表とまとめ a.最終プレゼンテーション
 ・第1回授業で設定した「個人テーマ」に関する学習成果を発表する
b.授業全体のまとめ
 ・振り返りのためのディスカッションを行う
 ・まとめの講義を行う
成果発表とまとめ a.最終プレゼンテーション
 ・第1回授業で設定した「個人テーマ」に関する学習成果を発表する
b.授業全体のまとめ
 ・振り返りのためのディスカッションを行う
 ・まとめの講義を行う