財務会計論

履修年次:1・2単位:2

担当教員

産業能率大学 総合研究所教授
本村 秀樹

授業の目的と概要

 財務会計は株主、投資家、債権者など、外部の利害関係者に報告することを目的としていることから「外部報告会計」とも呼ばれます。その報告は財務諸表を通して行われるため、財務会計の学習は財務諸表を理解することが核となります。
 本科目は財務諸表を読む実践的な知識を修得することをゴールとします。具体的には以下をねらいとします。
 1.財務3表(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書)の仕組みと主要科目について理論的裏づけのある知識を修得する。
 2.実例の財務諸表をビジネスモデルとも関連づけて分析できるスキルを修得する。

 毎回の学習範囲を明示しますので、テキストの該当部分を読んだ上でポイントをまとめる準備をして授業に臨んでください。この事前学習のまとめは自身の整理となるとともに「授業外学習」としての評価項目となります。(事前の授業外学習の対象は指定テキストの〔ACCONTING TODAY〕部分のみで〔THEORY AND HISTORY〕及び〔FIELD STUDY〕は除きます。)授業では事前学習を前提に、各論点を理解するための解説を行いますが、一方的な講義とはせずに、適宜演習も実施して常に何らかの問いかけをしながら進めます。
 本科目は財務会計を基礎から学びたい方を主な対象とします。税理士試験の簿記論と財務諸表論、簿記検定試験1級の合格者ないし合格レベルにある方は他の科目の履修に貴重な時間を配分することをお薦めします。

ディプロマ・ポリシー (修了時の到達目標)

■:この科目で特に重視する観点

■①マネジメントに関する専門知識や理論、問題分析の手法を修得し、経営機能における的確な意思決定ができる

□②関係する人との連携・協力関係を築き、リーダーシップや高いコミュニケーション能力を発揮することができる

■③マネジメントのプロフェッショナルとして高度な専門性と責任感、倫理観をもち、自ら問題を発見して課題を設定し、現実的で実効性のある解決策を導き出すことを通じて、組織や社会の発展に貢献することができる

上記ディプロマ・ポリシーに基づく当科目の到達目標

  • 財務諸表に関する知識と理論、分析手法を修得し、財務諸表情報から的確な判断ができる。
  • 自社を含む実例の財務諸表を分析して、問題点を発見して課題を設定し、有効な解決策を導き出すことができる。
授業項目 概要 集中
授業
オリエンテーション及び財務会計概論 ・本科目の構成や進め方等について説明します。
・会計における財務会計の特徴を解説します。
・実例情報を題材として財務諸表の全体像を把握します。
・財務諸表作成システムとしての簿記について解説します。
1

損益計算書 一定期間の経営成績を表示する財務諸表である損益計算書(P/L)について実例も題材として学びます。具体的には、損益計算書に基盤である、区分利益、収益及び費用の認識と測定、について学んだ上で、損益計算書の各区分利益の評価のための項目(売上高、売上原価、販売費及び一般管理費、営業外損益、特別損益)の意味を理解します。
貸借対照表 一定時点における財政状態を表示する財務諸表である貸借対照表(B/S)について実例も題材として学びます。具体的には、貸借対照表の基本フォームについて学んだ上で、資産の主要科目(売上債権、棚卸資産、有形固定資産他)、負債の主要科目(仕入債務、有利子負債他)、純資産の意味と構成項目について理解します。 2

キャッシュフロー計算書 一定期間の資金のフローを活動別に表示する財務諸表であるキャッシュフロー計算書について実例も題材として学びます。具体的には、営業、投資、財務の3つの活動別のキャッシュフローの意味と主な内訳項目について学んだ上で、キャッシュフローからみた経営活動のとらえ方と評価の仕方を理解します。
ビジネスモデルと財務諸表 財務3表について学んだ知識を応用してビジネスモデルと財務諸表の関係について学びます。具体的には、複数業界の実例財務諸表データを題材として、それぞれのビジネス特性が財務諸表にどのように表れるのかを理解し、財務諸表を活きた経営情報として扱える知識を修得します。 3

財務諸表分析 財務諸表を分析する手法を学びます。具体的には、収益性、効率性、安全性、成長性、に関する財務比率の意味を理解しながら、実例財務諸表を能率的に分析するスキルを磨きます。
財務諸表分析演習 前回までに学んだ知識を活かして実例の財務諸表を分析する演習を行います。各自事前に分析してきたものをグループ単位で整理し、発表と質疑による共有化を行い、分析スキルの定着を図ります。なお共有化の結果をまとめたものを提出課題とします。 4

連結会計
IFRS
財務会計上重要な個別論点として連結会計とIFRSについて学びます。連結会計については、連結財務諸表の意義と主な会計処理を理解します。IFRSについては財務会計のトレンドとして、これまでの会計との主な相違点を理解するとともに、経営に対するインパクトについても学びます。
試験 前回までに学んだ内容を踏まえて、試験を実施します。 5