経営戦略論

履修年次:1・2単位:2

担当教員

産業能率大学 教授
平田 譲二

授業の目的と概要

 本授業は、経営戦略に関する基礎的な知識やその背景にある論理の修得を目的とします。
 一般の企業人は、往々にして戦略、戦術、計画という用語を特に区別しないままに日常的に使用し、互いに理解できたかのように錯覚している場面が多いようです。さらに、戦略目標、戦略策定と戦略実行などの概念の区別も明確にしないままに実務を行っているために、戦略実行が思うように進捗しないこともあるようです。そこでこの授業では幾つかの企業事例も交えながら、経営戦略に関する様々な基本概念とその概念の論理的背景とその活用実態について正確に理解していきます。
 授業はテキストに沿って行います。まず、経営戦略とは何か、そしてなぜ企業にとって経営戦略は必要なのかを学んだ上で、すでに定説となっている経営戦略に関する様々な理論、フレームワークやモデルなどを学びます。但し、こうした理論やフレームワークもそのままでは実務に利用しづらい面がありますので、その論理的背景にまで遡って理解することで、実務への活用を促進させます。
 毎回の授業は学生による事前学習を前提としており、各授業の前段では学生の一部が事前学習の内容を発表し、その後テキスト内容の補足のための授業(座学)を行います。
 授業の後段では、学生同士あるいは教員と学生とのインタラクティブな議論を通して、戦略理論の背景や現実の企業活動との関連を理解していきます。

ディプロマ・ポリシー (修了時の到達目標)

■:この科目で特に重視する観点

■①マネジメントに関する専門知識や理論、問題分析の手法を修得し、経営機能における的確な意思決定ができる

□②関係する人との連携・協力関係を築き、リーダーシップや高いコミュニケーション能力を発揮することができる

■③マネジメントのプロフェッショナルとして高度な専門性と責任感、倫理観をもち、自ら問題を発見して課題を設定し、現実的で実効性のある解決策を導き出すことを通じて、組織や社会の発展に貢献することができる

上記ディプロマ・ポリシーに基づく当科目の到達目標

  • 戦略についての基礎的な知識を習得して、実際に展開される戦略の意義と効果を理解することができる。
  • 戦略目標、戦略の策定と実行の違いを明確に理解し、組織において各戦略過程で求められる行動がとれる。
授業項目 概要
ガイダンス & 戦略理解のための諸概念 前段で、本授業のガイダンスを行います。履修予定の対象者は必ず出席してください。
後段では、経営戦略を理解する上で、事前に知っておくべき基本概念を広く学びます。
(テキスト 第1・2章)
成長戦略 企業の成長戦略を、内部成長と外部成長に分けて理解していきます。企業の成長過程で見られる多角化に関する理論的考察から始まり、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの有用性に言及します。
(テキスト 第3章)
ポーターによる競争戦略 マイケル・ポーターのポジションニングの戦略を中心に理解していきます。
日本企業には使いづらい戦略ですが、企業間競争の現実を論理的側面から学ぶには、適切な戦略理論だと言えます。
(テキスト 第4章 第1~3節)
資源ベースの競争戦略 ネイルバフとブランデンバーガーによる環境創りの戦略を学んだ後に、資源ベースの戦略を学びます。この戦略理論は伊丹敬之の「適合の戦略」を理解することが中心になります。
(テキスト 第4章 第4~6節)
グローバル化の戦略 企業の国際化やグローバル化についての戦略を学びます。
さらに、今後の日本企業に求められるトランスナショナル化における戦略ポイントを理解することになります。
(テキスト 第5章)
戦略の実行と組織 組織全般に関する知識を身につけた上で、組織適合を考えた伊丹理論にも言及します。また後段では、組織のマネジメントを戦略との関連で理解していきます。
(テキスト 第6章)
戦略分析実習 戦略理解、戦略策定の前提となる「論理的思考能力」を養うためにサブテキストを使用した分析実習を、グループ単位で行います。
 サブテキストとして以下の本を使用しますので、各自で購入してください。
 小倉昌男(1999)『経営学』日経BP社 [一般書店にて購入してください]
戦略と組織のイノベーション 技術戦略を中心としたイノベーションの知識を習得するとともに、組織のイノベーションについても学ぶことになります。それらは、組織の変革であったり組織の学習であったりします。
(テキスト 第7・8章)
試験 授業で修得した知識を使って解答する論述式の試験を行います。