高校の先生方へ

学びの輪(アクティブ・ラーナーをつなぐ)

全国のアクティブ・ラーナーをつなぐ「学びの輪」。教育への想い、取り組みをリレー形式でご紹介します。

第17回 岡山市立岡山後楽館高等学校 主幹教諭 下村雅和(数学科)

九州久留米の地で出会い、すぐさま彼の教育に対する情熱に惚れてしまった石山先生からバトンをいただきました岡山後楽館高等学校の下村です。
7年前に協同学習に出会い、中京大学の杉江先生始め多くの方の実践をお手本に自分なりにアレンジをしながら授業をしています。
「できるだけ教えない」から始め、「教科書を自分たちで読み数学用語を正しく使いながら説明できる」授業に取り組んでいます。
今は、数学の授業だけでなく地域社会の中で「自分で学びそれを活かす力」をつけてほしいと思い、地域と連携する活動をコーディネートするようにしています。このような取組を通して生徒が深い学びへ向かってほしいと願っています。
数学男性が続きましたので、勝手に敬愛する国語女性のパワフルアクティブラーナーの倉敷青陵高等学校の三村美紀先生にバトンを渡します。

第16回 久留米市立南筑高等学校 石山信幸 (数学科、1学年主任)

横浜での講演を終えて数日後、学校に分厚い封筒が届きました。差出人は「東海高等学校 内藤俊一」。全く聞き覚えの無い名前。恐る恐る開けてみると、中からは手書きのファンレターが何枚も出て来ました。その驚きと感動を胸に数ヶ月後、私は内藤先生に引き寄せられるかのように名古屋に向かい、4時間の講演をさせて頂きました。内藤先生の笑顔と手紙は、今でも私の宝物です。
今日の授業でも、活動中の生徒の熱気に満ちた「数学用語の言い合い」を聞きながら、笑みをこぼしつつ少しだけ板書しています。
「教えることが上手い先生」を目指していた新任のあの頃。
今では「考えさせることが上手い先生」と呼んでもらえるようになりました。
生徒に任せるからこそ、生徒ができるようになった時の感動が大きい。
生徒に任せるからこそ、自分の授業に責任を持てるようになった。
「あの先生が入っていった教室からは、活気のある話し合いの声が聞こえてくる」
今は、そんな先生を目指しています。
師匠である久留米大学の安永悟先生から「自分がプロであると言うなら、誰かの役に立ってから、初めてそれを語るべし」と言われました。この言葉が、現在の生徒最優先の授業や、全国からの講演依頼を受ける核となっています。
次のバトンは、目の前のどんな困難にも屈せず、常に前に進み続ける協同学習界の希望の星、岡山市立岡山後楽館高等学校の下村雅和にお渡しします。

第15回 東海高等学校 内藤俊一先生(数学)

四半世紀前、全校生徒を前にした私の新任の挨拶は次のようなものでした。
「私の趣味は料理です。苦手な数学をみんなに美味しく食べてもらえるよう腕を振るっていきます!」
ということで4~5年前までの私がやってきたのは、食わず嫌いな食材をとにかく細かく刻んで、
柔らかくて食べやすいハンバーグに混ぜ込んで食べさせる…そんな授業ばかりだったのかもしれません。
ここ数年は、
 サプリメントではない身体にも良い自然な食材/そのままのえぐみや歯ごたえをしっかり味わい/
 たまにはレシピも気にしてみたりと/料理をネタに誰かと話すことを楽しんで/腹八分目で終わる…
そんな授業を目指しつつ、翌日の仕込みとお品書き(KP法)作りに励む毎日です。
次回は(行き当たりばったりな私と違い)理論的かつ暖かな授業改善を進められている、
久留米市立南筑高等学校の石山信幸先生です。
50過ぎの私が「ファン」であることを公言してはばからない素敵なお二人、宮北先生と石山先生を、
バトンでつなぐ機会を得ましたこと、まさに光栄の至りです。

第14回 西大和学園中学校・高等学校 入試企画部長 宮北純宏先生(数学)

周りを温かく包み込んで調和を大事にされている福岡のミスターハーモニーこと宮原先生からバトンを受けとらせていただきました。

飛鳥時代以降、大和川支流の合流地点は大陸から来た大型船が停泊し、小型船が上流を目指して出航していく交通の要所。このために大陸文明が集積し、最先端の学問を学ぶために元祖アクティブラーナーが集った地。この近くに法隆寺があり、私が1日の大半を過ごす未来ラボ(学校)もあります。
生徒は私にとって最高の先生。そして、フォーラムが私にとって学びの合流地点であり学びの要所。先輩たちが築いてこられた歴史や文化を大切にしながら、全国の次代を担う生徒や仲間とともに上流を目指してチャレンジし続けます。

次のバトンは、どんな素材も料理してしまう探究心旺盛な料理人、熱い思いを内に秘めた熱血漢の東海中高の内藤先生に託します。

第13回 福岡県立福岡講倫館高等学校 副校長 宮原清先生

親愛なる東北ALの伝道師、及川俊治先生からバトンをいただいた福岡県立福岡講倫館高等学校の宮原と申します。
アクティブラーニングはキャリア教育そのもの、アクティブラーニングに導く学びは、そのままキャリア発達を促す学びと考えます。
11年前から生徒をファシリテーターに育て上げる授業を実践、その後の自身の研究では、想いや意思の言語化が意欲を高めることや、コミュニケーションの自信が主体的進路探索と将来展望の明確化を促すことがわかりました。だからアクティブラーニングなのですね。   
近年の高大接続改革の文脈はまさに我が意。 教育の大きな目的は、生涯学び続ける意欲をもつアクティブラーナーを育て上げること。「学ぶ意義を知るために学び続けたい」そんなアクティブラーナーに育ってほしい。全国の有志を繋ぐ教育改革推進フォーラムに感謝します。
あふれる情熱を母校で発揮、大胆にして緻密なアクティブラーナー、西大和学園高等学校の宮北純宏先生にバトンを渡します。

第12回:聖ドミニコ学院高等学校 及川俊浩先生

 杉山さんから紹介を受けた及川です。

 産能大がまた面白いことを始めたと聞いてはいました。初回のフォーラムから参加していた者としては語りたいことが沢山あるのにやっと出番が来たかという感じです。(笑)
 フォーラムの多大な影響力を感じている一人と自負しております。フォーラムに参加し、日本各地の先生方と出会うことが出来るということが何よりの収穫です。素晴らしいと感じると押し掛けます。普段の教育活動を体験させてもらうためです。
 また夜のアクティブラーニングと称した宴会はさらに実り多いものです。この十年で酒が強くなりました。得られたものは計り知れず目の前の生徒たちに還元するため日夜努力しています。
 
 次回は勝手に師匠と思っている福岡県立福岡講倫館高校の宮原清先生にお願いします。

第11回:専修大学附属高等学校 杉山比呂之先生

「場を創り、場に価値を」

“The 気遣い”宮﨑先生からのバトンを受け継いだ杉山比呂之(詳細はこちら)です。
産能大フォーラムで、宮﨑先生をはじめ多くの全国の素敵な先生に出会うことができました。「このまま教員を続けていても良いのかなぁ…」そんな悩みを持っていた時期に、たくさんの勇気をもらった場でした。ただ最初はこの場の居心地があまりに良いため、職場の外にばかり目が向き、自分のいる場所から目を背けていました。そんな時、その素敵な出会いで得た学びや気づきを、自分の足下(職場)に還元することが大切だと気づかせてくれたのもこのフォーラムでした。今は、私のモットーである「場を創り、場に価値を」を軸に、対話を通じた「職員室改革」(事務局含む)を実行中です!

さて、そんなフォーラムを第一回から支えている東北の素敵なおじさん(笑)、聖ドミニコ学院の及川俊浩先生にバトンタッチします。

第10回:関西大学中・高等部 宮﨑亮太先生

 関西大学中・高等部の宮﨑亮太と申します。海上尚美さんとは国立歴史民俗博物館で博学連携の実践研究をご一緒し、博物館資料を活用することを含め、様々な授業改善のヒントをいただきました。
 
 私は恩師から、現場に足を運び、本物に触れなさい。そして、「なぜ?」と疑問を持つことから学びを広げなさいと教えを受けてきました。そして、私は博物館などを活用して生徒たちとともに学び、様々な歴史資料をもとに「問い」を発し、想像・創造する力を育みたいと考えています。

 教育において、新しいものを積極的に取り入れて変えていくことは大切ですが、学校に受け継がれてきた精神や教えに新しい意味を見出して、ぶれない教育を考えることも大切だと思います。

 バトンは、いつも思慮深く魅力的な専修大学附属高等学校の杉山比呂之先生にお渡しします!

第9回:東京都立浅草高等学校 海上尚美先生(地理歴史科・2年次主任)

浅草高校の海上尚美です。勤務校は浅草寺から10分ほど、かつて弾左衛門屋敷のあった場所にあります。江戸の名残を残しつつ、今もモノづくりの街として多くの人が活躍する地域です。
定時制・三部制・単位制という複雑さの中、多様な生徒が通う学校で、sense of wonderに満ちた日々を送っています。ぜひ一度遊びにいらしてください。
松本先生とは民間企業の研修で出会い,ご近所の学校のご縁で、「台東ハートラボプロジェクト」(ⅰ) をやっています。
博物館活用(ⅱ)は私にとって大切なテーマです。卒業後の進路も様々な本校では、「世界史」を学ぶ最初で最後の機会になるかもしれないこと、高校生を生涯学習の場に橋渡しするのが高校の役割の一つであると信じていることから、教育活動の中で博物館に足を運んだり,貸出教材(ⅲ)を活用したりすることに力を入れています。

バトンは博物館活用の盟友、常に私に示唆をくれ、励ましてくれる西の若旦那、関西大学高等部の宮崎亮太先生に託します。

ⅰ長期休業中の合同講習として、上野・浅草地域で博物館見学・フィールドワークをする講座。
ⅱここでの博物館は、国際博物館会議の定義に従い、美術館や動物園、水族館なども含む。
ⅲ国立民族学博物館の「みんぱっく」など。

第8回:岩倉高等学校 松本祐也先生(社会科・総合学習科)

最近、インフルエンサーと出会う機会に恵まれています。バトンを渡してくださった渡邉久暢先生もそのおひとり。出会いから広がる学びは私にとって欠かせないエネルギー源です。
もともと教わり家だった私は、セミナーやイベントに足を運んでただひたすら時間をやり過ごしていました。もちろん何も変化は起こりません。歯がゆい毎日が続きました。
そんな毎日からの脱却は「問う」ことで変わりました。最近では、からだで感じながら「問う」ことを授業で実践しています。
良い問いは議論を深めます。そのためにも社会の感性を上げていく必要があります。こんな時代だからこそ教師の存在は大きい。名もなき教師である私は今日も楽しみながら「問う」ています。
 
バトンはワークショップデザイナーでもあり、私の「なぜ?」にいつも真摯に向き合ってくださる東京都立浅草高等学校海上尚美先生にお渡しします。

第7回:福井県立若狭高等学校 渡邉久暢先生

 寺西先生から「型破り」だと紹介された渡邉久暢です。(プロフィールはこちら
 ただ、私自身はいたって普通の授業を行っています。
「今、目の前にいる生徒は、どんな状況にあるのか」
「今、目の前にいる生徒にとっての『生きて働く質の高い学力』とは何か」
「どんな教材で、どう指導すれば、そのような学力を培うことができるか」
「その学力が身につきつつあるかどうかを、どうやって確認するか」
 を考えながら授業をデザインしているだけです。きっと、みなさんもそうですよね。
 アラフィフでもあり、生徒の感覚や思考が掴みづらくなってきたこともあるので、
毎朝集めるノート、授業中の廊下での個別指導、定期的に書いてもらう「ふりかえり」等を通じて、
少しでも「今、目の前にいる生徒の状況」を理解しつつ授業したいと考えています。
 AL祭りが終わった?かと思ったら、今度はルーブリック祭りの兆しがあることを、最近少しだけ危惧しています。
評価はネブミじゃないのになぁ、と思っています。

 バトンは岩倉高校社会科の松本祐也先生に託します。

第6回:金沢高等学校 寺西望先生

社会と『つながる』学びを、もっと。

前川先生からご紹介いただいた金沢高等学校の寺西望です。
私は生徒に社会とつながる学びを届けたく教師になりました。 しかし教育現場には、「教師が忙しすぎる」「学校外との連携が苦手」という根本的な問題があることを知り、いったん学校現場を離れる決意をしました。 そして5年の月日を経て、『つながり』を生み出すカタリスト(触媒)になれればと現場復帰を果たしました。
・学校内でのつながり 育てたい力をチームで模索し、協働して研究や教材作成に取り組む。
・学校外とのつながり 地域社会が抱える課題を知り、各企業や組織が持つ強みから学ぶ。
・学校間のつながり  学校全体の取組を共有し、お互い第三者の視点から助言し合う。

バトンは、型破りながら非常に魅力ある授業の実践者である渡邉久暢先生(福井県)にお渡しします。

第5回:明光学園中・高等学校 前川修一先生

田中光一さんからバトンをいただいた明光学園中・高等学校の前川修一です。

小さな子どもが、恋ダンスを踊っています。「夫婦を超えていけ、二人を超えていけ、一人を超えていけ♪」 星野源さん。なかなかの哲学者ですね。約2年ちょっと前までの私は、おかれている状況をなかなか「超え」られない教師でした。受験指導のためなど、言い訳の壁を作って、乗り越えることを諦めていたように思います。 求めれば開かれるSNSの時代。 ひとりでは解決できなかった課題も、他者とつながることによって道筋が見えてきます。 胸の中にある、初任の頃の思いさえ甦ってきます。 「超えるの怖いが、役に立つ」 この体験を生徒に伝えたい。

さて、バトンを石川県金沢高校の寺西望さんにタッチします。県立高校→民間企業5年→私立の現任校と立場を「超え」てきた俊英です。お楽しみに。

第4回:鳥取城北高等学校 田中光一先生

溝上広樹先生からご紹介いただきました、鳥取城北高等学校の田中光一です。

ソクラテスの言葉を借りると、「教育とは、炎を燃えあがらせることであって、入れ物を満たすことではない」、これが現在の私の教育観です。
数年前、生徒が居眠りする授業をしている自分自身に焦りや不安を感じ、自信を失くしていた頃、小林昭文先生と出会い、そこから授業改善をスタートしました。また、熱い志を持った全国のアクティブラーナーたちと出会える産能大フォーラムに参加することで、校外にも多くの学びの仲間ができ、私の世界は大きく変わりました。
現在は校内でALを推進していく担当をし、生徒にとってよりよい学びの場を校内の仲間たちと創造することを日々目指しています。

バトンは私の尊敬する学びの仲間の一人、福岡の前川修一先生に渡します。

第3回:熊本県立熊本北高等学校 溝上広樹先生

「学習コミュニティの拡大と日常化を目指して」

円井先生からご紹介をいただきました熊本県立熊本北高等学校の溝上広樹です。
前々任校において、生物の楽しさを感じて欲しい、受け身の授業参加や居眠りをなくしたいという思いから授業改善をスタートさせました。最初は1人でしたが、試行錯誤のプロセスを共有する校外の仲間ができ、現在では地元を中心とする学習コミュニティ(ALくまもと)のメンバーと日々学びあいを継続できるようになりました。
さらに産能大フォーラムは、学びの輪を全国へと広げる貴重な機会となっています。このような繋がりを校内に広げること、そしてコミュニティ同士が点から面へとつながっていけばと考えています。

バトンは学びの仲間のひとりである鳥取の田中光一先生にお渡ししたいと思います。

第2回:岩手県立盛岡第三高等学校 円井哲志先生

パッシブラーナーの自覚からのスタート
下町先生からご紹介いただきました岩手県立盛岡第三高等学校の円井哲志(つむらいさとし)と申します。
数年前の私は「アクティブラーニングって何?誰かやり方を教えて…」と常々思っておりました。
そして釈然としないまま授業をしていた時、私の発問に対して明らかに誰かの答えを待っている生徒を見て、そこに自分がいるような錯覚を覚えました。
恥ずかしながら私自身がパッシブラーナーだということをこのとき自覚いたしました。
パッシブラーナー(私)がアクティブラーナー(生徒)を育成するという矛盾を抱えながらも、新価値世代を育成するのが教師のミッションであり、自分自身が新価値を修得し続けて、私のようなパッシブラーナーを生み出してはいけないという想いで現在私は教壇に立っております。
バトンは一昨年の産能フォーラムで出会い、多くの刺激を受けた熊本の溝上広樹先生にお渡ししたいと思います。

第1回:岩手県立花巻北高等学校 校長 下町壽男先生(しもまっち)

初めて産能フォーラムに参加した時、「ああ。全国には、授業改善や学校改革に真摯に取り組んでいる教師たちがこんないもいるんだ」と、とても感動したのを覚えています。
そして、そんな彼らを発掘し、光をあて、その思いを増幅させる場を提供してきた産能大の林さんの慧眼と行動力に驚かされました。
加えて感心したのは、学生スタッフの素晴らしさです。彼らの、相手への誠意が滲み出た一挙手一投足に「確かな人間力」を感じました。なるほど。このフォーラムは実は学生たちを育てる場でもあったんだと膝を打ちました。
場と人とコンテンツ。産能フォーラムがアクティブラーナーたちのサードプレイスとして存在し続けることを切に望んでおります。
次に岩手の若手の雄である円井哲志先生にバトンタッチしたいと思います。

(次回以降、リレー形式で教育への想いや現在の取り組みについてご紹介していく予定です。)