自由が丘の街に選ばれるために、シンボルカラーの赤を緑に変えた。

夏はライバルメーカーでいっぱいだから、冬にアイスを売ることにした
今井 由美子さん
自由が丘の街では、鮮やかな赤であるはずのコカ・コーラ社の自動販売機が緑色です。理由は東京コカ・コーラボトリングが自由が丘商店街振興組合が進める「自由が丘森林化計画」に協力しているから。節電ができる自動販売機で、売上の一部は組合にも寄付されています。でも、なぜこんな取り組みが行われているのでしょうか。
コカ・コーラという企業のイメージよりも、自由が丘とともに発展する道を選んだ。

森林化計画に協力するのはいいとして、何も自動販売機の色まで変えなくても、と思う人はいるでしょう。これは街の意向だった「景観を邪魔しない色」を受け入れた結果です。 確かにコカ・コーラの赤色は世界中の誰もが知っている企業のシンボルカラー。あの自動販売機が自由が丘を占拠すれば、よいアピールになりますし、逆に変えてしまうのは、イメージを考えても好ましくありません。

それでも緑色にしたのは、時代が変わったから。以前は、企業は自分たちがよいと思うものを提供すればよい時代でした。でも企業の不祥事などいろいろな事情により、みんなが企業を選ぶ時代になったのです。

だから東京コカ・コーラボトリングは、自由が丘に寄り添う道を選びました。結果としてみんなに選ばれることになるのです。

珍しい活動に世間も注目。マスコミが集まり、テレビなどで取り上げられた。珍しい活動に世間も注目。
雪見だいふく
自由が丘駅南口に設置されている「ルーフ緑化自動販売機」

今回のように企業と街が協力するのは、とても珍しいケース。世間の注目を集め、ルーフ緑化自動販売機の除幕式には、マスコミ30社以上が集結しました。その様子は、翌朝のテレビの情報番組に始まり、新聞やラジオ、ネットニュースなど、あらゆる媒体で取り上げられることとなったのです。きっと多くの人がこの活動を知ったことでしょう。

通常、企業が自社の商品や取り組みをテレビや新聞などで広告する場合、莫大なお金がかかります。しかし今回、この活動に関する宣伝費用はゼロ。取り上げられた媒体や回数などを単純に広告費に換算すると、1億円を超えるそうです。

自由が丘をコカ・コーラ優先の街に。 他の企業が入りづらい環境を作った。

街の計画に協力することで、環境や地域の活性化へ貢献すると同時に、商店街と関係強化を図ることができたといいます。 具体的には、組合に加盟するお店では、他社製ではなくルーフ緑化自動販売機を置いてもらえたり、お祭りなどのイベントでは必ずブースを設置させてもらえたり。また、産業能率大学で授業も受け持っているそうです。

言い換えるとそれは、他の企業が自由が丘に入りづらい環境を作ったことになります。 特に自由が丘は、「住みたい街調査」で首都圏ベスト3の常連であるとともに、駅周辺に1,500店を超える商店が集まる一大商業地。その効果は絶大です。

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