「自由が丘でしか買えないスイーツ。」 高いブランド価値を創り上げた。

夏はライバルメーカーでいっぱいだから、冬にアイスを売ることにした。夏はライバルメーカーでいっぱいだから、冬にアイスを売ることにした。
モンサンクレール
口 博啓さん
自由が丘駅から徒歩10分。静かな住宅街に、有名スイーツ店「モンサンクレール」はあります。 駅から遠く、けっしてよい立地とは言えない場所ですが、不思議なことにいつもお客さんでいっぱいです。いったいどうしてなのか。その答えは、ブランド価値を創ることにありました。
「次はどんな商品が出るんだろう?」定期的に新商品を開発して、リピーターを確保した。

どんなお店でも、リピーターを大切にするもの。モンサンクレールも例外ではありません。その確保のために力を入れているのが新商品の開発です。おいしいスイーツも、いつも同じでは飽きられてしまいますよね。
でも新商品の開発だけならどの店でもやっていること。モンサンクレールでは、定期的に開発することを重視しています。考えてみてください。発売未定の新商品より、出る時期が決まっている新商品のほうが、楽しみに待つことができるでしょう
さらに、味はもちろん見た目にも工夫。毎回デザインやアート、季節感を取り入れたスイーツを発表し、楽しみを増やしています。

人気が出てもお店は自由が丘だけに。売上げ拡大より、品質の向上に力を注いだ。
雪見だいふく
店名のモンサンクレールは、口さんが修業したフランスにある丘の名前から。

モンサンクレールには、百貨店などいろいろなところから出店の誘いがあるそう。しかし、これまで口さんはすべての話を断り、自由が丘だけでやってきました。
お店を増やせば、売上げアップが期待できるのになぜ?と思う人もいるでしょう。
理由は、モンサンクレールでは経時変化しやすい要冷蔵の生菓子を数多く取りそろえており、売る場所が多くなれば関わる人も増え、品質を均一にするのが難しくなるから。それなら一つのお店で高い品質の商品を安定的に提供できるほうがいい、と口さんは考えたのです。

結果としてそれは「自由が丘でしか買えない」という付加価値を生み、ブランドの創出につながるというわけです。

ブランド価値を下げないために、売れ残ったら値下げをせずに即廃棄にした。

閉店まで1時間で売れ残っているケーキが4つ。この状況で、あなたならどうしますか?

「値段を下げて売る」と答える人はいるでしょう。確かに安くしてでも売るほうが損失は抑えられますし、実際にそういうお店は少なくありません。

ではモンサンクレールはどうしているか。なんと、売れ残りはすべて廃棄しています。値下げして販売してしまうと、それが新しい価値となり、通常の価格が高いと感じられてしまうからです。そうなると、ブランドの価値を高め、創り上げてきたモンサンクレールにとってはマイナス。だからこそ、下手な安売りはあえてしないのです。

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